「あー、飲んだ飲んだ♪」
火照った身体に、秋の夜の空気は切るように冷たい。
月が空の高いところに浮いていた。
その小ささが、遥かな距離を感じさせた。
「霧華ちゃん、霧華ちゃん、この後、何か用事ある?」
私の後ろで、桜野が切り出した。
「え……特にないです……が」
「じゃあさ、もし良かったら、この後うちで二次会やらない?」
少しの、間。
「えと、零人先輩が良いなら、是非……」
君島はためらいがちに、答える。
こちらを伺う、気配。
私はくるっと、元気良く、二人のほうを振り返る。
予定された動き、だ。
「良いですね、二次会! 朝までコースですか〜?」
桜野は、私の言葉に口を尖らせた。
「んんー。レインは呼んでないもーん! 僕は霧華ちゃんと二人で飲み直したいの!」
「ええ〜、桜野先輩、ひどいですね……。良いですよう、私、家に帰ってゲームしますから〜」
君島の表情をちらっと確認し、からっとした笑顔を作る。
「じゃ、そういうことみたいだから、霧華ちゃん、気をつけてね? 変なことされそうになったら、ちゃんと声上げるんだよ? なんだったら、思い切り、殴っても良いし……」
「ちょっと、レインこそ、ひどくない〜?」
「きゃははっ」
少し、離れる。
「それじゃあね、霧華ちゃん、今度は二人で飲もうね!」
「はい……鈴音ちゃんも、気をつけて……」
「レインも、ゲームばっかしてちゃダメだよ〜♪」
「……大きなお世話です」
二人並んで、にこにこと、こちらに手を振る。
二人の視線を背中に感じながら、私はぶらりと自分の家のほうへ歩き出した。
やや覚束ない足取りを装いつつも、酔いは完全に醒めていた。
……君島が今日初めて、私の名を呼んだ。
頬を染めて、嬉しそうで、少しの優越感に近い感情が混じった表情に、胸がちくりと痛む。
霧華ちゃん、ごめん。
私は空を見上げ、心に冷え冷えとしたものを感じながら、今夜の計画を反芻した。
そう、夜はこれからだ。
透きとおった、夜の底。(15)を読む。
火照った身体に、秋の夜の空気は切るように冷たい。
月が空の高いところに浮いていた。
その小ささが、遥かな距離を感じさせた。
「霧華ちゃん、霧華ちゃん、この後、何か用事ある?」
私の後ろで、桜野が切り出した。
「え……特にないです……が」
「じゃあさ、もし良かったら、この後うちで二次会やらない?」
少しの、間。
「えと、零人先輩が良いなら、是非……」
君島はためらいがちに、答える。
こちらを伺う、気配。
私はくるっと、元気良く、二人のほうを振り返る。
予定された動き、だ。
「良いですね、二次会! 朝までコースですか〜?」
桜野は、私の言葉に口を尖らせた。
「んんー。レインは呼んでないもーん! 僕は霧華ちゃんと二人で飲み直したいの!」
「ええ〜、桜野先輩、ひどいですね……。良いですよう、私、家に帰ってゲームしますから〜」
君島の表情をちらっと確認し、からっとした笑顔を作る。
「じゃ、そういうことみたいだから、霧華ちゃん、気をつけてね? 変なことされそうになったら、ちゃんと声上げるんだよ? なんだったら、思い切り、殴っても良いし……」
「ちょっと、レインこそ、ひどくない〜?」
「きゃははっ」
少し、離れる。
「それじゃあね、霧華ちゃん、今度は二人で飲もうね!」
「はい……鈴音ちゃんも、気をつけて……」
「レインも、ゲームばっかしてちゃダメだよ〜♪」
「……大きなお世話です」
二人並んで、にこにこと、こちらに手を振る。
二人の視線を背中に感じながら、私はぶらりと自分の家のほうへ歩き出した。
やや覚束ない足取りを装いつつも、酔いは完全に醒めていた。
……君島が今日初めて、私の名を呼んだ。
頬を染めて、嬉しそうで、少しの優越感に近い感情が混じった表情に、胸がちくりと痛む。
霧華ちゃん、ごめん。
私は空を見上げ、心に冷え冷えとしたものを感じながら、今夜の計画を反芻した。
そう、夜はこれからだ。
透きとおった、夜の底。(15)を読む。





だんだん形になってきましたねー。
このシンプルな感じが好き。
ぬこさん、こんにちはー。
コメント、どうもです。
そうですね、やっと話の流れが見えてきたかな?
しかし、そろそろ、作者のほうが飽きてきそうです……(苦笑)
夜はこれから……続きが気になりますね。
何か怖いことが起こりそうな予感がしたりしなかったり。
応援ファブィ。
タンスにゴンザレスさん、こんばんはー。
その予感は当たっていたり、いなかったり(笑)
ファブィ、ありがとうございます。
「起」とも「承」とも取れますね。いったいどこなの…。
映画だと、時間でだいたいの終わりが分かるし、
本だと、残りのページ数で終わりが分かるのと違い、
今、どの辺にいるのかが分からないところがいいですよね。
書かれてるもみじさんは大変でしょうけど。
Don さん、こんばんは。
確かに、この形式で連載していると、あとどれくらい続くのかって、分かりませんね。
正直、私にもはっきりとは分かりませんが、読んでる人はもっと分からないだろう……(笑)
とりあえず、毎回、できるだけ話を進めたいと思います。
停滞はいろんな意味で無駄だ……。
ちょっとお久しぶりです。
はじめどこまで読んだかわからなくて、覚えの無い所を探して読みました;
(記憶力がありません・・・・××;)
次はどんな風になるのでしょうかね?
おお、盥さん、お久しぶりです。
コメント、ありがとうございますー。
続き……なんか、まだあまり動きがない感じですね(苦笑)
このお話、完結する日は来るのだろうか。
というか、盥さんのところにもまた遊びに行くとか言っておきながら、ご無沙汰してますね……。
すみません。
頑張って、時間を見つけます……。