小さい頃。
周りの大人たちは、私を見て、口々に「可愛い、可愛い」と誉めそやした。
私は、私をちやほやしている大人たちの黒い瞳の奥が怖かった。
私への好意は、きっと、簡単に「ひっくり返る」んだろう。
幼い私は、そのことを敏感に感じ取り、……ただ、馬鹿みたいに、にこにこしていた。
「ひっくり返る」きっかけを、決して、大人たちに与えないよう。
ただ、にこにこと。
そう、それは、まるで。
穢れなんか知らない、天使みたいに。
「てい!」
……こたつの中で、やつの足が勢いよく、私の足にヒット。
…………。
「……先輩、足が思いっ切り、ぶつかったんですが」
「あー、大丈夫、大丈夫。わざとだから♪」
「いや、大丈夫じゃないですから! 何なんですか、いきなり」
やつは軽く首を傾げて見せる。
「えっと〜、いわゆる、ひとつの、猛アタック?」
「いや、かわいこぶってもダメです!……まぁ、確かにアタックには違いないですけど」
「というより、レイン抱き枕化計画の一端かな〜♪」
抱き枕化計画……。
「抱き枕って、まだその話題引きずって……。っていうか、先輩にはもうすでに、抱き枕たくさんいるんだからいいじゃないですか」
皮肉を込めた私の言葉に、しかし、やつはにっこり笑って応えた。
「んー、まぁ、彼女たちも可愛いんだけどねぇ。……ちょっと、自己主張がウザいかなぁ?」
…………。
断言しよう。
やつは、芯から腐っている。
透きとおった、夜の底。(6)を読む。
周りの大人たちは、私を見て、口々に「可愛い、可愛い」と誉めそやした。
私は、私をちやほやしている大人たちの黒い瞳の奥が怖かった。
私への好意は、きっと、簡単に「ひっくり返る」んだろう。
幼い私は、そのことを敏感に感じ取り、……ただ、馬鹿みたいに、にこにこしていた。
「ひっくり返る」きっかけを、決して、大人たちに与えないよう。
ただ、にこにこと。
そう、それは、まるで。
穢れなんか知らない、天使みたいに。
「てい!」
……こたつの中で、やつの足が勢いよく、私の足にヒット。
…………。
「……先輩、足が思いっ切り、ぶつかったんですが」
「あー、大丈夫、大丈夫。わざとだから♪」
「いや、大丈夫じゃないですから! 何なんですか、いきなり」
やつは軽く首を傾げて見せる。
「えっと〜、いわゆる、ひとつの、猛アタック?」
「いや、かわいこぶってもダメです!……まぁ、確かにアタックには違いないですけど」
「というより、レイン抱き枕化計画の一端かな〜♪」
抱き枕化計画……。
「抱き枕って、まだその話題引きずって……。っていうか、先輩にはもうすでに、抱き枕たくさんいるんだからいいじゃないですか」
皮肉を込めた私の言葉に、しかし、やつはにっこり笑って応えた。
「んー、まぁ、彼女たちも可愛いんだけどねぇ。……ちょっと、自己主張がウザいかなぁ?」
…………。
断言しよう。
やつは、芯から腐っている。
透きとおった、夜の底。(6)を読む。




