白い月という球に

思うまま、わがままに。適当に書き連ねる、つくりものたち。 コメント・トラックバック歓迎です♪

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約束を、思い出した。
ずっと前にした約束。

『もし、俺が死んだらさ、その……、裏山で、俺の名前を呼んでくれないか?』

彼とは幼馴染みだった。
恋人同士だった時期もあったけれど、そうでない時間のほうがずっと長かった。

『死んだらって……どうして?』
『なんか、たぶん、俺、死んだら裏山に行きそうな気がするんだよ。……なんとなくだけどさ』

照れた顔をしていた彼は、もういない。

私は、裏山に分け入り、彼の名前を呼んだ。
何度も、何度も。

返事はなかった。
でも私は、小さい頃の、裏山での彼との思い出を、たくさん、たくさん思い出した。

「いない」というのは、「いる」ということ。
大人になって、子供の頃のようには一緒にいられなくて、理由がなくちゃダメで、嫉妬やプライドや侮蔑や欲望や、そんなごちゃごちゃしたたくさんのものが届かないところに、今、彼はいるのだ。

それは、小さい頃のように。
私の、すぐそばに。


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テーマ:ショート・ストーリー - ジャンル:小説・文学
コメント
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2007/10/04(木) 22:41:17 | | #[ 編集]

思い出すことが、そのひとの存在なんですよね。

近くにいても存在しないひともいるし、
遠くにいても一日に何度も微笑んだり、肩をたたいたり、手を握ったりするひともいる。

もみじさん、詩人だなあ。ポチッと。
2007/10/04(木) 23:16:27 | URL | 銀河系一朗 #-[ 編集]

「いる」は、「いない」だけど
「いなくなる」と、その途端にその人の存在を再確認する。

あたしは、消えてなくなったあと
誰かのすぐ近くにいれる人になれるかなあ…。
「彼」のような人間になりたいし
「私」のような人を近くにもちたいなと思ったイチでした。

なんかコメントなのに作文みたいになった w
2007/10/05(金) 11:26:35 | URL | イチ #-[ 編集]

コメント、ありがとうございます。
なんか、昨日書いたものなのに、もう、書いたときの心情を正確にトレースできない……。
痴呆……?(汗)

>匿名 さん
私も、一時期、山の中で死にたいと思っていたことがありますよ(笑)
山の中で、じんわりと、微生物に分解されて、ばらばらに……。とか。
このお話は創作です。
私の場合、「死」を書きたくなるときは、精神的に微妙なときかもしれません……(笑)

>銀河系一朗 さん
そうですねー。
大して話をしたことがない人でも通じ合っている、っていう感覚を覚えることがあります。
生きている時代が違う人さえ、本などを通して、身近に感じたりする。
人と人との距離っていうのは、生死にも関わらないし、物理的距離や時間などのいろいろな断絶にも、本質的には影響を受けないのですね。

>イチ さん
作文……懐かしい響きです(笑)
「慣れ」っていうのは、やっぱりちょっと悲しいものですね。
全てのことに対して、毎回驚いていては、頭が処理しなければならない情報量が多すぎて、やってられないのだとは思いますが。
私自身は……死後、自分が誰かのそばにいたいのか、分かりません。
2007/10/05(金) 17:07:14 | URL | もみじ #KKhd1Ueo[ 編集]
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2007/10/05(金) 17:45:08 | | #[ 編集]

>匿名 さん

まぁ、そんなに深刻じゃないですから~(笑)
というか、本当に押しましたね?

でも、やっぱり、苦しいこととかは少ないほうがいいなぁ……。
2007/10/05(金) 20:49:17 | URL | もみじ #KKhd1Ueo[ 編集]

もみじさんの詩集とか欲しいです。

そういうの作られないんですか?
2007/10/06(土) 21:51:35 | URL | たぬき #osd7LS92[ 編集]
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2007/10/06(土) 21:57:21 | | #[ 編集]

>たぬき さん
詩集……ですか?
今まで考えたこともなかったです~(笑)
でも、たぶん、そういうもの作るんだったら、もっと作品を煮詰めなきゃですね。
ここに載せているものは、ベストな状態じゃないと、自分では思っています。(読んでくれている方々にかなり失礼な発言ですが。)
足りないのは、主に時間です(苦笑)

>匿名 さん
確かに、思わず笑ってしまいました(笑)
どうもです。
匿名さんでも、キレそうになることがあるんですね~。
でも三分で復活って(笑)
私の場合は、幸せ感度はかなり高いと思いますね。
微妙に苦労した子供時代が基底になっているので。
感覚がずれた子供だったのです……。(遠い目)
2007/10/07(日) 11:12:39 | URL | もみじ #KKhd1Ueo[ 編集]
ふむ
この世にいなくなってしまえば
余計なものは 関係なくなりますね。

1人残されてみれば 言った人への気持ちは
たったひとつになるのかも。

死んだじいちゃん  げんきですか?
死んだ親戚のばあちゃん  ありがとう

ぺっとたち  待っててね

初恋のひと  好きだったよ

その人に対する 1番の思いだけが
残るような そんなきが・・・・・。
2007/10/07(日) 14:26:35 | URL | ヨヨ子 #-[ 編集]

こんばんは。

人間につく垢みたいなものは、裏山みたいなところでそっと洗い落とすんでしょうね。

そこで呼ぶ名前。
きれいで曇りのない、そんな声のような気がします。
2007/10/08(月) 00:15:14 | URL | たろすけ(すけピン) #rFJbKIhU[ 編集]

>ヨヨ子 さん
死んでしまった人は、とてもシンプルになりそうです。
いろいろな縛りから、解き放たれる。
生きている人も、きっと本当はシンプルなのでしょう。
でも、みんな繊細すぎて、いろいろ飾り立てなければ生きていけない。
なんとなく、そんな感じがします。

>たろすけ(すけピン) さん
裏山で呼ぶ声……なんか、一歩間違えばホラーですよね(笑)
返事があったりなんかしたら、もう……。

2007/10/08(月) 22:46:42 | URL | もみじ #KKhd1Ueo[ 編集]
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