一瞬、何が起こったのか分からなかった。
ただ、「そのとき」が来たのだと思った。
宙に放り出され、私が右手で掴んだのは、桜野の左手。
私たちは、すごいスピードで堕ちて行った。
限りない、夜へと。
桜野と君島の二人は、かなりのペースでアルコールを摂取していた。
サークルの飲み会では決して飲みすぎたりすることのない君島だった。
が、声の調子から、明らかに酔っぱらっているのが分かった。
ひそやかな、声。
私は少し心配になり、そっと下の様子をうかがう。
二人は寄り添っていた。
思わず動きを止めてしまった私の姿を、桜野は。
口元に笑みを浮かべた、そのままで。
見上げる。
やつは、挑発するように目を細め。
そのまま流れるように視線を君島に向ける。
「霧華ちゃん」
君島の耳元で囁き、そのまま耳たぶに口づける。
「零人先輩……」
とろんとした、君島の黒い瞳。
桜野は静かに君島の唇を奪い、そのまま彼女を押し倒す。
君島の髪がつややかに広がった。
思考停止の空白。
桜野は再び口づけ、
触れるか触れないかのそのままの姿勢で、熱っぽく何事かを呟いた。
私は、君島の目が見開かれるのを、見た。
その、瞬間。
いきなりの解放感。
私は、夜に放り出されたのだった。
ひたすら堕ち続けながら、
桜野と繋いだ右手がどうしようもなく熱くて。
私はただただ、夜の底を真っ直ぐに見つめていた。
つづく
ただ、「そのとき」が来たのだと思った。
宙に放り出され、私が右手で掴んだのは、桜野の左手。
私たちは、すごいスピードで堕ちて行った。
限りない、夜へと。
桜野と君島の二人は、かなりのペースでアルコールを摂取していた。
サークルの飲み会では決して飲みすぎたりすることのない君島だった。
が、声の調子から、明らかに酔っぱらっているのが分かった。
ひそやかな、声。
私は少し心配になり、そっと下の様子をうかがう。
二人は寄り添っていた。
思わず動きを止めてしまった私の姿を、桜野は。
口元に笑みを浮かべた、そのままで。
見上げる。
やつは、挑発するように目を細め。
そのまま流れるように視線を君島に向ける。
「霧華ちゃん」
君島の耳元で囁き、そのまま耳たぶに口づける。
「零人先輩……」
とろんとした、君島の黒い瞳。
桜野は静かに君島の唇を奪い、そのまま彼女を押し倒す。
君島の髪がつややかに広がった。
思考停止の空白。
桜野は再び口づけ、
触れるか触れないかのそのままの姿勢で、熱っぽく何事かを呟いた。
私は、君島の目が見開かれるのを、見た。
その、瞬間。
いきなりの解放感。
私は、夜に放り出されたのだった。
ひたすら堕ち続けながら、
桜野と繋いだ右手がどうしようもなく熱くて。
私はただただ、夜の底を真っ直ぐに見つめていた。
つづく





前回を読み返してみました
はじめの文章を読んだ時点で、私の記憶が悪く全然覚えていない
全部読んだらちゃんとつながりました(早とちりさんです
>たぬきさん
私も全然覚えていませんでした……(笑)
これからどういう話になるのか、メモも残っていなかったし。
なんだか、時の流れにしみじみしてしまいます。
一体何事が・・・(((@Д@;;
>盥さん
何事ですかねぇ(笑)
続き、考えているような、いないような。