白い月という球に

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アンドロイドは電気羊の夢を見るか?アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
(1977/03)
フィリップ・K・ディック、浅倉 久志 他

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2008/2/12読了。

DO ANDROIDS DREAM OF ELECTRIC SHEEP ?
by Philip K. Dick

人は、機械にも愛情を注げるらしい。
機械の機械的な言動に、心の存在を感じるらしい。

ってことかな。

この作品の中では、
アンドロイドと人間を見分ける手段があるということだったけれど、
個人的には別になくてもいいや、と読み終わって思った。

例えば、本当に、人間そっくりに作ったアンドロイドが、
人間と見分けがつかなくても、私は別に困らない。
自分がアンドロイドだと知ってしまっても、あまりショックはないように思える。
何故だろう?

もともと、欠陥の多い精神を抱えているからかな。
自分が普通の人間だと思ったことはない。
親には、中学生のときに「感情がないみたい」と言われた。
人の感情というものの多くが、後天的に作られるということを私は身をもって知っている。
そして、言動に分かりやすく表れた感情の切れ端しか、感知することができない人が多くいることを私は知っている。

見えないものが、見えない人たち。
見えるものしか、見えない人たち。
そういう人たちが多く住むこの世界において、大事なのは本当に感情があることではなく、
感情を感じさせる言動をとることなのだ。
人は、喜怒哀楽をはっきり見せられると、安心して心を許す。
たとえ、それが計算に基づいて行われているパフォーマンスであろうとも。

私は、一からとは言わないけれど、自分の感情や性格を自分で設定してきた。
集団の中で自由に動けるように、
何をやってもその行動をとった理由を深く追求されることなく
「ああ、○○さんだからねー」で済まされるような性格。
感情は、とりあえずナマのやつを白で塗りつぶして、その上に新しくいろいろ作った。
……リハビリの甲斐あって、最近、ナマのやつが顔を出し始めてきているけれど(笑)
(大学入ったころ、自分が暑いのか寒いのかもよく分からないや、ということに気付いて少し愕然とした。無意識のところで我慢する癖がついていて、意識のほうまで上らない状態だった。全体的に塗りつぶしていたから。……でもそのおかげで、身体は頑丈になったかな(笑))

なんか、話がずれた。
まぁ、ともかく、人間同士だって自己完結みたいな、いい加減なコミュニケーションしかとってないんだから、
アンドロイドが混じってたって分からないだろう、という感じです。
んー、分からないというか、どっちでもいいというか。
結局、自分以外の他人に心があると思っているのは、単なる思い込みに過ぎないと思う。
そして、人は、アンドロイドにも、心があると思い込める。
愛することができる。
それが全てだ。

このお話の中で、アンドロイドのレイチェルはラストのほうで本物の山羊を殺します。
それは、ある意味で彼女の中の嫉妬の感情の存在を匂わせる。
とても、可愛いと思った。
彼女の心は負の感情で荒れ狂っていて、
電気羊みたいな愛されるためだけに生まれてきた、
単純で己の存在価値についてなんか考えない機械に憧れるのかもしれないけれど、
でも、そういう感情は人間になっても付きまとうんだ。

思い込みで成り立っているひとりきりの世界に、孤独は冷たく甘美に輝き続ける。



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コメント

あまり(というより全く)本を読まない私ですが、もみじさんの話を聞いて興味がわいてきました。
機会を作って触れてみたい。そこまで思える作品ですね。

ここからは個人的な考えですが、
感情というのは、何者にも邪魔されず、何者にもコントロールできないものだと私は考えています。
機械(本記事でいうアンドロイド)を好きになるのはやはり人間の感情(精神?)の構造上の問題であって、誰にでも起こりうる心理だと思います。

なんか、これってブログで知り合ったお友達に似ているのかもしれませんか?
もちろん、回線の先には会ったこともない人がいると思いますが、そこにはブログの雰囲気とはまったく別の人格を持った方がいるかもしれません。
それこそアンドロイド(人造的な人間)だと思います。

私もブログの雰囲気や、ブログ内のお友達の想像する『たろすけ(すけピン)像』とはかけ離れているのかもしれませんね。
私のブログタイトルにも「人造人間」とありますが、あの時(ブログ設立時)はふざけたノリで決めたものなので、深い意味はないんですけどね。笑
2008/02/19(火) 23:10:49 | URL | たろすけ(すけピン) #rFJbKIhU[ 編集]

読了お疲れ様です。
これから読もうと思う人の興味を掻き立てる、なかなか面白い感想だと思いました。
この勢いで『アンドリューNDR114 』を読んでみませんか?
2008/02/20(水) 10:55:05 | URL | 鯨 #Xysd5fB2[ 編集]

たろすけ(すけピン)さん、こんばんは。

気になったのなら、読んでみると良いかも知れません。
あ、でも、読む段階になったら、私の書いたことは綺麗さっぱり忘れて下さいね!(笑)
小説は、前情報なしの状態で読むのが一番良いと思うので。
というか、微妙にネタバレが……。

ネットでの人間関係……っていうのは、私もまだ捉え切れていなくて、でも文字だけで人物像を作り上げている、って結構すごいことですよね。
その人物像は、やっぱりある程度演出されたもので、たろすけ(すけピン)さんの言うようにアンドロイドぽい。
うーん。
むずかしいな……。
なんか、全然整理できてない気がします。

例えば、黒い点が横に二つ並んでいたら、人はそれを「目」に見立てて、そこに人の顔を見るんだと思うんです。(なんか、そんなようなことを昔誰かに聞きました。)
客観的に見たら、そこにあるのは、ただ二つの黒い点に過ぎないのに。
多分、人には、周囲のものを「とりあえず人間だと思っておけ」というような性質がある。
それだけ、人にとって、他の人の動向が重要なんでしょうね。

って、うーん。
何が書きたいのか、分からないですね(苦笑)
まだまだ修行が足りないようです。
もう少し、考えてみます……。
2008/02/21(木) 01:48:04 | URL | もみじ #KKhd1Ueo[ 編集]

鯨さん、こんばんはー。

『アンドリューNDR114』……ロボット物なのですね。
次のSFは、今手元にある、銀河さんご推薦の『ソラリスの陽のもとに』の予定なので、その後にでも読んでます(笑)
2008/02/21(木) 02:00:37 | URL | もみじ #KKhd1Ueo[ 編集]

推薦した後から少し偏ってたかと思ったり(笑)

でも、本はなんでもよくて、受け止め方の自己発見があることが鍵でしょ。
もみじさんの受け止め方を、ある人は「痛い子」というかもしれないけど、近似タイプの僕としては普通じゃないのと思ったりする。

いや、そもそもはSFの手口についてですよね?
さらなるオチ的には、アンドロイドを見つけて処分してる人間を、人類の製作者である先進宇宙人がこいつらどう見ても失敗種だったね、と笑いながら処分するというのが正統的SF(?)かと思われます(笑)
2008/02/21(木) 19:09:35 | URL | 銀河系一朗 #YS3Z5NF6[ 編集]

銀河系一朗さん、こんにちはー。

うーんと、つまりあれですね、銀河さんと私は「痛い子」仲間ということですね!(笑)
……というか、「痛い子」という言葉に、「腐女子」と言われたとき以来の動揺を感じていますよ。。。(笑)
そうなのかー。

自己発見、自己発見……。
確かに、自己発見も、読書に期待するところではあるのですが、私は例えるなら「自分の中の海にぼっちゃんぼっちゃんと本を沈めていく」ような読み方をしたいなぁ、と思っていたりするわけでして。
もっと言うと、言葉にできるもの、意識に上るものだけを読書から得たいと思っているわけではなくて……、読書というのはもっと抽象的に曖昧に精神の根源に作用するものだと思うのです。
私が期待しているのは、そっち。

物語の作り方、って多分人それぞれだと思うのですが、私の場合は「意識して作る」っていうよりは「なんとなく」に頼っている部分が多いです。(もちろん、人ときっちり比べたことはないので、あくまで私の主観で、ですが。)
で、その「なんとなく」は、意識の領域ではなく無意識の領域に属するものなんじゃないかと思うんですよ。

って、また、なんか、何の話をしているのか分からなくなりました……。

SF……よく分からないけれど、魔法が出てくるとファンタジーになって、超能力だとSFですか?
ドラゴンはファンタジーで、宇宙人はSF?
うーん。
やっぱり、まだまだ、修行が足りないようです(苦笑)
2008/02/22(金) 17:11:35 | URL | もみじ #KKhd1Ueo[ 編集]

動揺させましたか、ごめんm(_)m
でもそれこそ、カミングアウトしなければ、見分けられないし、「痛い子」も、「腐女子」も、いわば世間の悪意の判断を含む言葉だけど、自己分析できる人なら、それに自分に影響受ける心配はないと思いますが、もみじさんはやっぱりナイーヴな太宰ストなのかな。

うん、もみじさんにとって読書は発見を求めてるわけではなくて、怪しげな錬金術の触媒なのかな?
変化は見られず不安があるけど、恍惚の予感がそこにある、というような(笑)
2008/02/24(日) 00:14:29 | URL | 銀河系一朗 #YS3Z5NF6[ 編集]

銀河系一朗さん、こんにちは。

うーん、確かに結構ナイーヴですが(自分で言うのもなんですが)、今回のやつはちょっと違っているかもです。
私の中の定義では、私は「腐女子」ではないですし、「痛い子」に関しては自分の中に定義すらない状態なので、
「腐女子」「痛い子」である、と他人に言われたことで「自分って本当はそうだったのかー」とショックを受けたわけではないです。

そうではなくて、私の言動が「腐女子」あるいは「痛い子」に見え得る、そう見る人がいるという事実に対する驚きといいますか……。
カミングアウトする情報の取捨選択に際して、他人にどう見え得るかというのは、当然考慮する必要があると思うので。

私の周りの環境は偏っていて、……まぁ理系大学院生なんて専門分野以外でも何かしらのオタクだったりするので、自分勝手で協調性がない人が多いし(もちろん私を含む(笑))、でもだからこそ他人の個性をそのままの形で受け入れる基盤があったりするわけで。
技術職で食べていく以上、その偏りはこれからも継続していくと思われますが、
そういう、創造性がなくて他を批判・侮蔑することで自分の相対的存在価値を頑張って上げようとしている人の集合である「世間」(あまり正しい言葉じゃないかな?)に対抗していく術は、磨いていくに越したことはないと考えます。
今までもかなりの労力を割いてきたし、これからもそうだろうと思う。

まぁ、要するに、銀河さんが謝る必要はないのです(笑)

恍惚の予感、ってなんか良いですね(笑)
あまり関係ないですけど、私は予感に満ちたお話が好きです。
2008/02/25(月) 15:45:09 | URL | もみじ #KKhd1Ueo[ 編集]
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