白い月という球に

思うまま、わがままに。適当に書き連ねる、つくりものたち。 コメント・トラックバック歓迎です♪

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博士は孤独だった。
博士は美しい女性と結婚したが、孤独だった。
博士は妻との間に娘を授かったが、孤独だった。

その娘が言葉を話し始めたとき、博士の世界は塗り替えられた。
みずみずしく、鮮やかな色彩。
幼い娘は、博士の孤独を正しく理解した。

博士は研究のために自分のクローンを作り、今はなき弟の名を与えた。
博士のクローンは、10歳の少年に設定された。
博士は自分が研究で忙しいときに、そのクローンに幼い娘の相手をさせた。
幼い娘はどんなことにも興味を示し、その愛らしい唇からは絶え間なく質問が紡ぎ出された。

世界に対する、問い。
幼い娘は聡明だった。

やがて娘は美しい女性へと成長し、いつしか、同じように成長した博士のクローンと愛を語らうようになった。
娘はクローンの孤独を理解し、クローンは娘の孤独を理解した。
二人は深く愛し合い、しかし二人はクローンがクローンであることを知らなかった。

博士はそんな二人を見て、怒りに震えた。
自分は、ずっと孤独だった。
しかしどうだ、あのクローンには良き理解者である娘がいる。
娘は、あのクローンのことを一番に考えている。
愛している。
この差は何だ…。

フラッシュバックする、母親との狂った記憶。


娘とクローンは婚約した。
挙式の前日に博士は行方不明となり、挙式当日の朝、娘は花婿の笑顔にかすかな違和感を覚えた。

「ねえ、君が初めて、言葉を話した日のことを憶えている?」








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テーマ:ショート・ストーリー - ジャンル:小説・文学
コメント
想像の斜め上の先
私のブログで、私の物語の展開を「想像の斜め上」と評価していただき、ありがとうございます。

もみじさんの記事も、私にとっては新鮮で息を呑むものですよ。私にはもみじさんのような発想はできません。

私もヒトを驚かせる記事を書き続けていきたいッス(^^;)
2007/08/14(火) 22:37:35 | URL | たろすけ(すけピン) #-[ 編集]

コメント、ありがとうございます。

この記事は、自分で書いていて自分が鬱になりました…(苦笑)
言葉の力は偉大です…。

お互い、より良いものが書けるように頑張りたいですね。
2007/08/16(木) 13:13:33 | URL | もみじ #KKhd1Ueo[ 編集]
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