白い月という球に

思うまま、わがままに。適当に書き連ねる、つくりものたち。 コメント・トラックバック歓迎です♪

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鍵は何事もなく、鍵穴にぴた、と密着した。
そのまま、がちゃり、と回し、扉を開放する。

中に入り、音を立てないよう注意深く扉を閉める。

息をつく。




桜野の部屋は、暗く、ひんやりとしていた。
窓からもれるわずかな光は、しんとした静寂を引き立てる。


私は脱いだ靴を手に持ち、部屋の奥へと入っていった。
部屋の中央に立ち、窓の外を見る。



携帯が、鳴る。
桜野から、メールだ。

油断していたから、一瞬、びくっとしてしまった。
電源を切っておかなければ……。



『あと15分で着くよ♪ レインは?』

『もう、先輩宅です。』
『オッケー♪ ぐっどらっく』



……軽く、脱力。
何が、ぐっどらっく、だ。

コンビニで買い物をしてもらっておいたビニール袋に、靴を半ば無理矢理に詰め込む。
袋は、どう見ても小さかった。

「…………」



まぁ、そういうこともある。
気を取り直して、ロフトへと上るはしごに手をかけた。


天井が近い。

ロフトには、綺麗にたたまれた毛布と、……その上には紙のようなもの。
ちょこんと、置かれていた。



   レインへ 

   また「そのとき」に。
   「そのとき」は、そのときが来ればきっと分かるから。  

                                      』



…………。

桜野は、普段はめちゃくちゃお喋りなくせに、メールとかメモとか文字で書くとなると、途端にかなり淡白だ。


それは、ある意味、やつの性格を良く表しているのかも知れない、と、ふと思う。

やつも、ピエロだから。




じっとしていると寒い。
桜野が用意した毛布に包まる。



「?」
メモの裏に何か書かれていることに、気付いた。


『追伸  寒いでしょうから、僕の愛情たっぷりな毛布に包まって身体を温めて下さいね』



……さすがの私も、毛布を投げ出して、身体を冷やすようなことはしなかった。

いや、寒かったから。







「……桜野零人のにおいがする」









透きとおった、夜の底。(17)を読む。


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テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学
コメント

「その時」何が起きるのか気になる。

レインは桜野を100パーセント嫌ってるわけではないんですね。
たぶん70パー嫌い、21パー好き、どちらでもない9パーぐらい?
2007/11/23(金) 23:36:21 | URL | 銀河系一朗 #-[ 編集]

銀河系一朗さん、こんばんは。

なんか、私個人としても引っ張りすぎな感はありますが……連載って難しいですね(苦笑)
レインにとって、桜野が「特別」であることは否定できないでしょうね。
うむ。
2007/11/24(土) 01:26:38 | URL | もみじ #KKhd1Ueo[ 編集]
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