白い月という球に

思うまま、わがままに。適当に書き連ねる、つくりものたち。 コメント・トラックバック歓迎です♪

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適当に時間を潰して、17時54分に時計台前に行くと、すでに桜野零人が待っていた。
昨日とは、また違う帽子をかぶっている。
……やつは一体、帽子をいくつ持っているのだろうか。

時計台とは言うものの、大学キャンパス内にあるその時計は、長い棒に文字盤がついただけのつくりをしていた。
ただ「時計」と呼べば良い感じなのだけれど、学生は皆「時計台」と呼んでいる。

これが、いわゆる、伝統というやつだろう。




「こんばんは」
私が声をかけると、桜野は思いっきり不満そうな顔をした。

「ちょっと、レイン? こういうときは、『待たせちゃって、ごめんなさいっ』ぐらい言ってくれないと……。僕が爽やかな笑顔で、『ううん、今来たとこ!』って言えないでしょ!?」

桜野は『待たせちゃって、ごめんなさいっ』のところを、よく分からない裏声を使って表現した。
もしかして、私の声まねか……?


「……そういう下らないことは、一人でやって下さい」
「えーー。これやりたくて、わざわざ早く来たのにいーー」


桜野は昨日と寸分違わず、ふざけたやつだった。





街中へと並んで歩きながら、私は桜野の計画を大雑把に聞いた。
とりあえず、これから君島霧華と合流するらしい。

…………。

「……先輩、一つお聞きしますが、君島さんは私が来ることを知ってるんですか?」
「えー、言ってないから、知らないと思うよ♪」

……やっぱり。


「それって、君島さん、普通に先輩と二人きりでデートするつもりで来るってことですよね?」
「……そうね。もしかしたら、そういうことになるかも♪」

恐る恐る言った私に、桜野は横目でこちらを見遣り心底楽しそうに答えた。
こいつ、絶対、わざとだ……。


これから執り行われる三人飲みのことを考え、私はいっきに、気分が重くなるのを感じた。









透きとおった、夜の底。(11)を読む。

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テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学
なんというか、実生活の忙しさがいよいよ……な感じになってきたので、
このブログも、しばらく不定期更新になるかも。
あと、奇怪な言動をしても、ある程度大目に見て下さい……。

今、どのくらいテンパっているか、具体的に例を挙げると、
昨夜は午前2時に学校(研究室)を出て、
今朝は8時40分にはもう研究室にいましたね。
……まぁ、正直、時間で仕事量は測れないわけですが。

しかし、私は、8時間寝たいんだ!

テーマ:物書きのひとりごと - ジャンル:小説・文学
コンビニに、スコップを持って強盗に入った。
金に困ってのことだった。
店長は、俺がスコップを振りかざすと、とても悲しそうな目をした。

「なぜ、そんな目で俺を見る?」

俺は店長に問いかけた。
店長は小さく首を振るばかり。
雑誌を立ち読みしていた客が、そんな俺たちの様子を見かね、助け舟を出した。

「店長さんは今じゃコンビニの店長なんぞやっているが、昔は大の悪人でな、この辺り一帯を仕切ってたのさ」

俺は思わず店長の顔を見た。
こいつが!! この、人の良さそうなじいさんが……!?

「人は見かけによらない、というのはこのこと。しげさ……いや、店長さんは、若い頃から、外面だけは良かった」

店長は遠い目をしていた。
俺はここぞとばかりに、用意した袋にレジの中の金を詰め込んだ。

「しかし、そんな外見とは裏腹に、やることは非情、卑劣。この辺りの人間に、それはそれは恐れられたものさ」

客は当時のことを思い出したのか、小さく身震いした。
その目は熱っぽく、いつかの過去に向けられていた。

「ところが、そんな店長さんの天下にも終わりがやってきた。ある日、二丁目のさぶちゃんが大慌てで……」

俺は金を入れた袋とスコップを手に、静かにコンビニを後にした。






・・・・・・・・・・・
FC2コミュニティ『みんなで、物語を紡ごう!』より転載。
少し、修正しました。

三つのお題を文章中に組み込み、小説っぽく書いてみる、という趣旨。
といいつつ、このお題、三つとも自分が考えたやつなので、なんとも微妙な感じ(笑)
別に、この話が書きたかったからこのお題にしたわけじゃないですよ!と主張してみる。


なんとなく気に入ってたので、こっちにも載せてみました。



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2コマ目が一緒だった友達と学食でお昼を食べていると、携帯電話が鳴った。
桜野からのメールだった。

『時計台前に18時に来てね♪ 時間厳守』


内心、桜野とは、出来うる限り関わりたくなかったが、そうもいくまい。
……というか、行かないとか言ったら、正直、何をされるか分からない。
本当に。






「天海鈴音(アマミ・レイン)? どうした、いきなり固まって」
倉木真琴(クラキ・マコト)は箸を止め、切れ長の眼で私の顔を覗く。

「あ、ごめんね、なんでもないんだ。……ただちょっと、いやぁなメールが来ちゃって」


倉木は少し首をかしげ、考えるそぶりをした。
「……ああ、例の先輩だな」
鋭い。


「そう。……正直、かなり、行きたくないんだけど」

18時に待ち合わせて、一体、やつは何をするつもりなんだろうか。
まさか、ただの食事というわけではないだろう。

……しかし、その可能性も含め、あらゆる可能性を捨てきれないのが、桜野零人というやつなのだった。



「大変だな、天海鈴音も。まぁ、また、楽しい報告を期待しているよ」
倉木は口元を斜めにし、心底楽しそうに私を見た。


うん……。
なんだって、こう、私の周りにはこういう感じの人ばかり寄ってくるんだろうか。


「それは、まぁ、いわゆる、類友ってやつだ」
「真琴ちゃん……心の声に、わざわざ答えてくれなくていいから」

お味噌汁をすする。



「天海鈴音は、面白いからなあ」

「……それ、もしかして、誉めてるの?」
「誉めてる、誉めてる」
「…………」



こうして、倉木とのランチタイムは、終始和やかな雰囲気の下、進行したのだった。









透きとおった、夜の底。(10)を読む。

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気が付くと、僕の周りに人が、いないのです。
誰も、いないのです。

お母さんも、お父さんも、おばあちゃんも、おじいちゃんも、
誰も、いないのです。

僕は寂しくなって、
でも、嬉しくなって、
外に飛び出して、走り回りました。

夕焼け空に終わりはなく、
夜はいつまでたっても、やってきません。


やがて僕は遊びつかれて、家に帰って、ただいまを言うと、
隣の怖いおじさんが、
ただ、黙って、僕の頭を撫でたのでした。


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君島霧華。

文学部の1回生。
私と同じく、写真サークルに所属。
他に、茶道部も掛け持ちしている。

長いまつげに縁取られた黒目がちの瞳、形の良い小さめの口。
艶やかな緑の黒髪を肩の辺りで切り揃え、
その顔立ちともあいまって、日本人形を思わせる。
背は中ぐらいだが、姿勢が良いので実際よりも高く見える。

私が言うのも微妙だけれど、我が写真サークルの中では、
「可愛い子ランキング」で、私と人気を二分する存在である。

サークルでは控えめで、自分からはあまり話さない。

同学年の私と彼女は、当たり前のように友好関係にある。
が、私は彼女が少し苦手だった。

理由は、自分でよく分かっている。





朝。

この時期、朝の布団はとても気持ちがいい。
私は幸せをかみしめるように、布団の中で10分だけごろごろする。

起床。
寝起きは良いほうだ。
今日は、1コマから授業が入っている。


毛布に包まって、お湯が沸くのを待ちながら、私は桜野の言葉を思い出していた。

「『ソフィア』としての、活動。次のターゲットは、霧華ちゃんだから」
その言葉は、何を意味するだろう。



『ソフィア』……やつは結局、その、組織らしきものについて説明らしい説明をしなかった。
ただ、心優しき人々、だと。
私には、その一員となる資格があるのだ、と。



「大丈夫だよ。心配しなくても、天使みたいなレインは、『ソフィア』にぴったりだから♪」

軽く頭を振る。
やかんの笛が、私に告げる。



今日が、これから始まるのだ。







透きとおった、夜の底。(9)を読む。

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お風呂から上がり、寝る支度をして、私はベッドの上に倒れ込んだ。
窓のカーテンの隙間から、月光が差し込んでいる。
月も、だいぶん、傾いたことだろう。


やつのにやにや笑いが、思い出される。
部屋の中に充満した気配が、なかなか消えない。
やつが帰ったあとは、いつもこうだ。

軽く苛立ち、思考を強制的に遮断する。



天井を見る。

そのまま目を瞑り、天井の上の、屋根の向こうの、遥か遠く、星空を想った。
天球に散りばめられた星たちは、各々、音楽を奏でる。
それは、人が、決して聴くことのできない音楽。


ベッドに沈む。



身体の感覚を切り。


次第に境界線がなくなっていく。

私は、両腕を広げ、真っ直ぐに堕ちる。
透明となった、空に。


堕ちる。
堕ちていく。
風圧が。
手足の自由を、冷たく奪う。

ぐんぐん加速。
やがて。
大気圏を、突き、抜ける。




…………。
覚醒。

気が付くと、辺りは無音だった。
右手に地球。
目の前には、月。


私は月へと引き寄せられる。
月は近づくに連れて小さく、小さくなり。

手が触れる。
私は、その球体に腕を回し、頬を寄せ、目を閉じた。



ああ、私の……。

いつの間にか、その表面は、全てのものの浸入を拒む滑らかな鏡となった。
私は目を瞑ったままにそれを感じ、ひどく、安心した。







透きとおった、夜の底。(8)を読む。



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また、休日なし負のスパイラル期に突入しました。
11月二週目まで、この忙しさは続きます。
……日々、加速しながら。



連載物も6話まで行きましたね。
結構、書いていて、勉強になります。

まず、1話1話がこの短さなので、どの回でどの情報を出すのか、
ということがかなりシビアになります。
提示する情報の取捨選択と、その順序。

加えて、あまり多数回にわたって一つのシーンが続きすぎると、
文章自体の総量は大したことがなくても間延びした印象を与えてしまう(と思う)ので、
シーン切り替えのタイミングもなかなか難しい。

情報提示のこととか、実は、今まであまり真剣に考えたことがなかったので、
良い機会になりました。

こうやって、細切れな文章でその世界を作っていくと、
ああ、こっちから作れば良かった、とか、
このシーンとこのシーンの順序は逆のほうが良いな、とか、
書いていくうちにいろいろ見えてきそうなので、
とても楽しみです(笑)



さて、今日は更新する時間が取れるかな?

……ちなみにこのお話、毎回、更新直前に頭の中の設計図から取り出して直接書いているので、
かなり自転車操業であります(笑)
あとで、読み返して落ち込むこともしばしば……。(だめじゃん)
あんまりひどいと、直しますが。


テーマ:物書きのひとりごと - ジャンル:小説・文学
「これ、だ~れだ?」

やつが、一枚の写真を寄越す。
写っているのは、君島霧華(キミシマ・キリカ)。
私と同じ1回生、サークルの同期だ。

私は、上目遣いにこちらを見る、君島の写真に見入った。



「次のターゲットだから」

……ターゲット?

一呼吸置いて、はっと、やつを見る。
やつは、その口元に、不敵な笑みを浮かべていた。
黒い瞳。



「『ソフィア』としての、活動。次のターゲットは、霧華ちゃんだから」


「……何故、君島さんなんですか?」

「僕的レッドゾーンに突入しちゃったから。レインにも、近くで見ててもらう」



「私は……『ソフィア』なんかに、入りませんから」
「でも見ててもらう。返事はそのあとで聞く」

有無を言わせぬ強い口調。
部屋の温度が一気に下がった気がした。



「大丈夫だよ。心配しなくても、天使みたいなレインは、『ソフィア』にぴったりだから♪」

やつはおどけた様子で笑った。





「じゃ、また明日ね~♪」
やつは、……桜野零人(サクラノ・レイト)は、一枚の写真を残して、玄関から帰っていった。
部屋に、静けさが戻る。

本当に、嵐のような男だ。





こたつの上に置かれた写真には、笑顔でピースをしているやつの姿が、でかでかと写っていた。

「……一体、これを、どうしろと?」


私の問いに答えるものは、なかった。







透きとおった、夜の底。(7)を読む。



テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学
小さい頃。
周りの大人たちは、私を見て、口々に「可愛い、可愛い」と誉めそやした。

私は、私をちやほやしている大人たちの黒い瞳の奥が怖かった。

私への好意は、きっと、簡単に「ひっくり返る」んだろう。
幼い私は、そのことを敏感に感じ取り、……ただ、馬鹿みたいに、にこにこしていた。
「ひっくり返る」きっかけを、決して、大人たちに与えないよう。
ただ、にこにこと。

そう、それは、まるで。


穢れなんか知らない、天使みたいに。






「てい!」

……こたつの中で、やつの足が勢いよく、私の足にヒット。

…………。


「……先輩、足が思いっ切り、ぶつかったんですが」
「あー、大丈夫、大丈夫。わざとだから♪」
「いや、大丈夫じゃないですから! 何なんですか、いきなり」

やつは軽く首を傾げて見せる。

「えっと~、いわゆる、ひとつの、猛アタック?」

「いや、かわいこぶってもダメです!……まぁ、確かにアタックには違いないですけど」
「というより、レイン抱き枕化計画の一端かな~♪」

抱き枕化計画……。



「抱き枕って、まだその話題引きずって……。っていうか、先輩にはもうすでに、抱き枕たくさんいるんだからいいじゃないですか」

皮肉を込めた私の言葉に、しかし、やつはにっこり笑って応えた。


「んー、まぁ、彼女たちも可愛いんだけどねぇ。……ちょっと、自己主張がウザいかなぁ?」




…………。

断言しよう。
やつは、芯から腐っている。








透きとおった、夜の底。(6)を読む。



テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学
「そういえば、この前の合宿の写真できたよ~♪」

やかんを再び火にかける。
やかんはまだ温かかった。
この分だと、お湯もすぐに沸くだろう。

私はタオルで手を拭いて、こたつに戻る。



「ほらほら、レイン、可愛く撮れてるでしょ♪」

やつが示した写真には、火であぶったマシュマロをほおばる私の姿がアップで写っていた。
にっこり、カメラ目線。

「ちなみにこの写真、今回の売れ筋だから♪ ほんと、みんな言ってるけど、天使みたいな笑顔だよね~♪」

やつは、にやにや笑って、こちらを見る。
私は、写真を向こうに押しやった。


……気持ち悪い。




やかんが音を立てる。
お湯が沸いたか。


私は席を立った。
やつが、私の背中を見ているのが、分かる。


こぽこぽと、お湯を注ぐ。
両手に持ったマグカップをこたつに置き、自分も落ち着いた。



「うわ、ほんとにただのお湯だし! そのくせ、レインのは、ちゃんとココアだし!! ちょっと先輩に対する態度、ひどくない~?」
「……いや、普通です」


私は、やつから視線を外す。
口調とは裏腹に、やつの目は相変わらず、にやにやと私を挑発していた。







透きとおった、夜の底。(5)を読む。




テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学
なんとなく始めての感想。(まだ3話だけど)

とりあえず、毎日更新しようとすれば、それなりに話が進むな、ということ。
ここにあらすじっぽいのを連載して、あとで「小説」にするのもありかと。
意志の弱い人とか。

しかし、自分の力不足を痛感するね……。(まだ3話だけど)


テーマ:物書きのひとりごと - ジャンル:小説・文学
「何しに来たんですか?」

「だって、月が綺麗だったんだもん♪」
こたつの向こう側の男は……いや、不法侵入者は、口元に、にやにや笑いを浮かべた。
人の家のこたつに、さりげなく、もぐりこんでいるところが、また憎らしい。

「答えになってません」
「えー、じゃあ、月が綺麗だったから~、レインがまた僕のこと待ってるかな、って思って♪」
「待ってません」

いつもの問答をいつものように繰り返す。
いつもの疲労感。



「はあ」
大きなため息を、一つ。
……ああ、私の幸せがまたひとつ逃げた。




「ねぇ、レイン」
「……なんですか?」
「いい加減、そろそろ、電気つけない? ……こんなに暗いと、僕、うっかり、いろいろしちゃいそうだよ♪ そういえば最近、新しい抱き枕がほしかったりする……」


パチン。
高速移動で明かりをつけた。

やつの目はときどき本気だから、油断ならない。



「レイン、レイン~。立ったついでに、僕にもココア~♪」
「……白湯で我慢して下さい」







透きとおった、夜の底。(4)を読む。



テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学
ちょびちょび飲んでいたココアも、なくなってしまった。

少し物足りない気持ちで、カップを床に置く。
窓の外に視線を戻す。
と、そこに。


月を背景に。

窓の向こう。

ベランダの手すりの上。

すっと立つ。
帽子を被った、細身のシルエット……。




「!」

声を上げるより先に、体が動いた。
私は、部屋とベランダとを隔てるべく、ガラス戸を閉める。

が、男が素早くねじ込んだ右足が、それを阻む。
ガラス戸の内側と外側で、しばし無言の戦い。

……ご近所の迷惑にならないよう、無言なのだ。




ほどなくして、勝敗が決まる。
毎度のことながら、、私の負け。
その男を部屋に招き入れる結果となった。

不本意ながら。




「……先輩、いい加減にしないと、警察呼びますよ?」
私は肩で息をしながら、男をにらんだ。







透きとおった、空の底。(3)を読む。



テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学
コートを着込んで、部屋の窓を開け放つ。
風はない。
月の光が、じかに降り注ぐ。

夜は、空が透明になるのだ。
透明になって、星がよく見える。
それは、空の底にいる私にも、もったいないぐらいに。

お気に入りのマグカップにいれたココアは、冷たくなりかけた私の指先を優しく温めた。
あまい匂いが、鼻腔をくすぐる。
ココアが作る聖域は、小さい頃から変わらずに、こんなにも私を安心させるのだ。

秋の夜の冷たい空気が、静かに私の部屋を満たす。
私はゆっくりとココアをすすり、透明な夜の底で、ただ月を見上げていた。





透きとおった、夜の底。(2)を読む。



テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学
なんだか、今日唐突に、このブログにいろいろ飽きました。
なので、いろいろいじりたいと思います。
変なことを始めても、温かい目で見守って下さい。

作品に関しても、大人し目なやつに飽きたので少し暴れようかなぁと思います。
少し長めのものを構想中。
終わらなくたっていいじゃない、な気分であります。


創作は、破壊活動だ!
いかに、人の心に傷をつけるか!
いかに華麗に、人の概念をぶち壊すか!
フィクションは、リアルよりも、こんなにも自然に人の心の奥底に浸透するのだから。




……といいつつ、まぁ、何もしない可能性もありなので、あまり期待しないで下さい(笑)
本当に、毎日の忙しさが尋常じゃない。


テーマ:物書きのひとりごと - ジャンル:小説・文学
ひらひらと、僕は落ちてゆくのです。
あなたは、笑っていますか?
……笑ってくれていますか?

ひらひらと、僕ははるか、遠くまで。
いつか巡り会うその地では、僕は僕のままでいられないらしいのです。

ひらひらと、僕は散ってゆくのです。
あなたは、笑っていますか?

それとも。

ひらひらと僕がいなくなるとき、
心の底で、あなたに悲しんでほしいと思ってしまう僕を、
あなたは許してくれるでしょうか?

ひらひらと。
僕は、ただ。
ひらひらと消えるから。

せめて。


テーマ:詩・想 - ジャンル:小説・文学
朝の河原で歌を歌う。
川の音は澄んでいて、私の声をどんどん吸い込むから。

散歩に連れてきてもらっている犬は、どこか皆、凛々しくて。
私に、おはよう。
頑張れよ。

空は高くて澄んでいて、私の存在を底に沈めてる。
いつか、私も水面に届く?
あの、ミルクみたいな雲が、びろっと浮いている水面へと。
想いは、いつも急上昇。


手には、猫じゃらし。
清々しい空気は、私を包む。

そう、世界は、今、始まったんだ。
今、ここから。


テーマ:詩・想 - ジャンル:小説・文学
昨日は、朝9時前に家を出て、帰ってきたのが朝の4時前。(すでに昨日じゃない)
たっぷり、遊んできました(笑)
なかなか良い気分転換に。

……というか、最近、気分転換ばかりしている気がするな(苦笑)
まぁ、それはともかく。


私は、いろんな感情を背負って、生きていくのだなぁ、となんとなく思った。


テーマ:物書きのひとりごと - ジャンル:小説・文学
目をつぶって。
息を止めて。

思い出すのは、過去の記憶。

心は張り詰めて。
声は喉に張り付いたままで。
過ぎ去るのを、小さくなって待っていたんだ。

僕は。

あの頃、僕は。

ただ、死なない理由を探してた。


テーマ:ショート・ストーリー - ジャンル:小説・文学
僕はまだ、僕の愛を知らない。

図書館で、本を読む彼女を偶然見つけ、彼女も偶然に僕を見つけた。
彼女とは同じクラスだが、深く会話したことはない。
予感。
彼女は大きな瞳で僕を見つめ、読んでいた本を静かに置いた。
僕は迷いなく、彼女に歩み寄る。

僕らは並んで、本を読んだ。

駅までの帰り道、二人でいるのに、それはとても一人に似ていた。
僕らは黙って、歩く。
暮れゆく空を眺めながら、僕は考えた。
隣を歩く、大きな瞳の彼女について。

そして、僕がまだ知らない、僕の愛について。




・・・・・・・・・・・
『物語は素晴らしい!』コミュのお題「愛について。」で書きました。


テーマ:ショート・ストーリー - ジャンル:小説・文学
高野はげっそりした様子で、どかっと腰を下ろした。
胸ポケットからタバコを取り出し、火をつける。

「どうしたんだ?」

僕は高野の隣に腰掛けながら尋ねた。
高野は僕のほうをちらっと見てから、視線を窓の外に向ける。

「……最近、嫌な夢を見るんだ」

高野はタバコを持っていない左手で、髪をかき上げる。

「味噌汁の夢」

僕は危うく、口の中のコーヒーを噴きそうになった。

「味噌汁って」
「味噌汁だよ、味噌汁。ミソスープ! ……なんか、わんこそばみたいに、際限なく出てくるんだよ、味噌汁が。夢の中の俺は、ひたすら、それを平らげ続ける。もう、三日連続だ」

高野は「勘弁してくれ」と小さくつぶやき、大きく息を吐いた。

「それは……大変だね」

僕は他になんて言って良いか分からなかった。
ただ、そんな夢を三日連続で見たら、高野と言えども、さすがに辛いだろうと思った。
高野と僕は、無言で窓の外を眺める。
やがて、高野はタバコの火を消し、「じゃ」と仕事場に戻っていった。
その背中には、哀愁のようなものが漂っていた。
僕は高野と味噌汁のことを考え、悪いとは思いつつ、少し笑ってしまった。



僕が味噌汁の夢のことを尋ねると、一月ぶりに会った高野はからっと笑った。

「ああ、もう、見ないよ」
「そっか、良かったな。結局、なんだったんだろうね」

高野は悠々とタバコに火をつける。美味そうに一服。
煙を吐きながら、目を細めて窓の外を見た。

「……実は、お前とここで話したあともあの味噌汁の夢、見続けたんだ。全部で十日間ぐらいかな。ほんと、毎日死にそうだった」

その頃のことを思い出したのか、高野はくく、と笑った。

「で、最後の日に、いきなりおふくろが出てきたんだ」

僕は、反射的に高野の顔を見る。
高野は僕の顔を覗き込み、にやりとする。

「『ほら、もっと』おふくろは俺に味噌汁を勧める。腹いっぱいで死にそうな俺は、おふくろにもう味噌汁はたくさんだって言ってやった」
「……おふくろさんは、なんて?」
「不思議そうな顔して、『なに、あんた、子供の頃は母ちゃんの味噌汁は日本一だ、って言ってたじゃないかい』って言うんだ。だから、たくさん作ってやったのに、って」

高野はガラスの向こうの空を見上げた。

「目が覚めてぼんやりしてたら、親父から電話が来たよ。ものすごい、取り乱した様子でさ。……おれは、ああそうか、って思った」

高野の母親は三週間ほど前に亡くなった。
それは、僕の耳にも届いていた。

「母親って、すげえよな。俺、味噌汁のことなんか、これっぽっちも憶えてなかったってのに。……ほんと、すげえよ」

僕はなんと言って良いか分からなかった。

「おまえもさ、おふくろさん、大事にしてやれよ」

そう言って、高野は軽やかな足取りで自分の仕事場に戻っていった。
僕は少しの間ぼんやりしてから、しばらくぶりに、実家に電話をかけた。



・・・・・・・・・・・・・・
「味噌汁」のお題で書いたものです。
『みんなで、物語を紡ごう!』コミュより、転載。


テーマ:ショート・ストーリー - ジャンル:小説・文学
僕たちはやがて、鳥になる。
鳥になるんだ。

きらめき匂いたつ朝を待て。


テーマ:詩・想 - ジャンル:小説・文学
「今、とっても幸せ」と言って学校の屋上から飛び降りたのは、
果たして誰だったか。

わたしには、もう思い出せない。

小学校の頃好きだった先生は、
わたしの嫌いだった先生と結婚して離婚したって。
中学校のときの友達は、みんな夜の街で働いてるって聞いたんだ。
……誰から?
分からない。
分からない。

わたしは、もう忘れてしまった。
みんな、忘れてしまった。

人はどうしてみんな、わたしの前から姿を消すのだろう。
あんなに、親しかったのに。
あんなに、そばにいたのに。

だから、嫌い。
人間なんて、大っ嫌い。
どうせ途中でいなくなっちゃうんだったら、最初からいなきゃいい。
いらないんだ。

わたしは大好きなものたちに囲まれて生きていければ、それでいいんだから。


テーマ:詩・想 - ジャンル:小説・文学
ヤツは、暑いときには「暑い」しか言わなかった。

寒いときは「寒い」。
お腹が空いたときは「お腹が空いた」。
眠いときは「眠い」。
疲れたときは「疲れた」。
それしか言わなかった。

「愛してる」なんて、決して言わなかった。

ヤツにとっての『愛してる』は、
きっと「愛してる」以上に複雑で、
「愛してる」なんて言葉では表せなかったのだろう。
ヤツは沈黙を愛していたから。

そう、今になってそう思うんだ。


テーマ:ショート・ストーリー - ジャンル:小説・文学
三連休ということで、また軽く旅行。
今度はプライベートです。
いろいろ、楽しかった~。
疲れたけど(笑)

これから、実生活がどんどん忙しくなるだろうけれど、頑張ろうと思います。
うむ。

テーマ:物書きのひとりごと - ジャンル:小説・文学
夕焼け空。ひとり。
私の瞳の中には、きっと私。

世界と向き合う真正面。


テーマ:詩・想 - ジャンル:小説・文学
約束を、思い出した。
ずっと前にした約束。

『もし、俺が死んだらさ、その……、裏山で、俺の名前を呼んでくれないか?』

彼とは幼馴染みだった。
恋人同士だった時期もあったけれど、そうでない時間のほうがずっと長かった。

『死んだらって……どうして?』
『なんか、たぶん、俺、死んだら裏山に行きそうな気がするんだよ。……なんとなくだけどさ』

照れた顔をしていた彼は、もういない。

私は、裏山に分け入り、彼の名前を呼んだ。
何度も、何度も。

返事はなかった。
でも私は、小さい頃の、裏山での彼との思い出を、たくさん、たくさん思い出した。

「いない」というのは、「いる」ということ。
大人になって、子供の頃のようには一緒にいられなくて、理由がなくちゃダメで、嫉妬やプライドや侮蔑や欲望や、そんなごちゃごちゃしたたくさんのものが届かないところに、今、彼はいるのだ。

それは、小さい頃のように。
私の、すぐそばに。


テーマ:ショート・ストーリー - ジャンル:小説・文学
見たことのない女が、
見たことのない口で、
僕に笑いかけるのだ。

真っ赤にぬられたその唇に、
僕はただただ恐怖した。

僕は知っているのだ。
女のその唇が、
知らぬうちに男を食い潰すのを。

見たことのない女は、
見たこともない食べ物を口に入れ、
見たこともない食べ方をした。

哀れな僕に残された道は、
ただただ、
女の気が変わるのを、待つことだけ。


テーマ:詩・想 - ジャンル:小説・文学
こんばんは~。

一泊のプチ旅行から帰ってきました、もみじです。
遊びじゃないです、スーツです。
疲れた……。

でも、帰りに寄った漫画喫茶(3時間)でだいぶ癒されましたー。
漫画は偉大だ……。
そして、やっぱり、創作の刺激になりますねー。
うむ。

テーマ:物書きのひとりごと - ジャンル:小説・文学
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