白い月という球に

思うまま、わがままに。適当に書き連ねる、つくりものたち。 コメント・トラックバック歓迎です♪

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夏菜と夏希の話。

夏菜が大学三年生で、夏希が二年生だった気がする。
一緒に住んでる設定。
キッチンと居間と、あとそれぞれの部屋がある間取り。
学部が違うので、大学で顔を合わせることはほとんどない。別キャンパスってことで。

夏希の交友関係は広い。
誰とでも親しくなれる。バランス感覚が良い感じ。良い聞き手、みたいな感じ。
夏菜の交友関係は限定的。
ちょっと変わった人、みたいな友が多い。
マイペースな夏菜と付き合えるのは、大人な人か、あるいは夏菜と同じくマイペースな人。
夏菜に対して「何かに守られている感」を覚える人は皆、夏希に会って納得する。
それと同時に、夏希の中のどろっとしたものが見えちゃう人もわずかにいたり。


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テーマ:つぶやき - ジャンル:小説・文学
「夏菜、お菓子と飲み物、お願い」
無駄のない動きで前を進む夏希がこちらを振り返る。
「了解」
わたしは夏希から離れ単独行動に移る。スーパーの中のわたしは、はっきり言って驚くほど無力だ。
ぶらぶらとお菓子コーナーへ向かう。最近めっきりお菓子の値段が上がった気がする。百円で買えるものが少ない。
わたしは両目を左から右、上から下へと動かし、何か心の琴線に触れるものはないかと検分する。右下まで行くと、横歩きで隣の棚に進む。
次第にわたしは焦る。次第に焦っていくわたしを観察するわたしを感じる。握った手のひらの冷たい硬貨の感触が蘇る。
ああ、わたしはこんなにも断絶して。
隣で玩具付きのお菓子を見ていた子供が何事かを叫びながら走りだし、遠くでカートを押す母親に諌められた。
わたしは諦めて酒のつまみに手を伸ばす。
夏希はあまりお菓子をほしがらない子供だった。母親の目を盗んでは、物足りなそうな様子だったろうわたしに、自分のぶんのおやつを回してくれた。
「僕はいらないから」
わたしが夏希からもらったお菓子を食べるところを夏希は楽しそうに見ていた。ときどき母親に見つかって、わたしは怒られた。夏希はわたしをかばい、わたしは自分の無罪を主張した。
そんな姉弟だった。
目の前に海が広がる。海というよりは湖に近いのかもしれない。その水は透きとおって、凍るように冷たい。わたしたち二人を乗せたボートは、その湖の真ん中にぽつんと浮かんでいる。わたしたちを中心に波紋が金属的な音をたてる。濃い青、薄い青がわたしたちを包む。霧は深まり、わたしたちは互いの姿を確認することができない。そのくせ水はどこまでも透明で、どこまでも深く。たくさんのものが沈んでいる。沈んでいたり、漂っていたり流れていたり分解していたりする。わたしたちは、わたしは、ずっと水の中を眺めている。飽きもせずに、ずっと。
ずっと。
ねえ、いつの間に、夏希はボートを降りていた?
買い物かごを取り、ビーフジャーキーを、ポテトチップスを、プルーンを、ラムネを、のしいかを、アーモンドチョコレートを、塩せんべいを、どさどさと入れた。全部買えてしまうのが、少し悲しかった。
背筋を伸ばし、お酒コーナーへと向かう。綺麗に鳴る自分の靴音を聞く。ずらりと並んだ瓶は、なぜかわたしに子供のころ遊んだ人形の家を思い出させた。
思うに、人は大人になってしまったことを忘れたいがために酒を飲むのではないのか。梅酒の瓶にかけた手を一瞬止める。
でも私は、大人の自由さを、もう手放せない。この身体の軽さを、わたしはもう。
瓶の肌をそっと撫でる。そのまま棚からぐいっと引き抜き、自分のかごへと導く。かつて選ばれたかったわたしは、いまや立派に選ぶほうの人間なのだ。


**************

前回の続き。
相変わらず、書きなぐり……。
書き進めたいだけ書き進めて、気が向いたら直します。

なんか、ボートのシーンでやっと、主要キャラ二人の立ち位置が見えてきました。
昔は仲良かったんだねー。



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夏希には大事なものなんて、何もないように見える。
何かに執着したりすることもない。
ただ、いつも涼しそうに微笑んでるだけ。

夏希は優しい。
誰に対しても。
わたしはそんな夏希に嫉妬する。
わたしは執着して、限定してしまうから。
他人に優しくできないくせに、優しくされたいと思ってしまうから。

きっと何かを好きになるってことは、弱みを持つってことなんだろう。
弱さを持たないつるりとした夏希を、わたしは持て余す。


*******************

夏菜は夏希の中の狂気を知らない。

表面的な特徴づけとして
夏菜:大人になりたくない/なれない、普通になりたくない/なれない
夏希:大人、普通、常識人
という感じ。

「夏希は大人だから。普通だから」とずっと自分と切り分けて考えて、
見ないようにしてきた夏菜。
ある夏の日に、微笑む夏希の中のどうしようもない狂気を垣間見て、
自分の中のアイデンティティや蓋をしてきた闇に向かい合わざるを得なくなる。
精神世界に閉じこもる、か?
夏希からもプレッシャー。
女としての目覚め、も描く必要あるかも。
守られた少女から孤独な女へと。
ある種の開き直り。
新しい世界の始まり。

なんとなく、今のところ、クライマックスは夢の中で夏希を殺す感じかなぁ、というところ。
まだ分からない。


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両手を広げる夏希。
風は、強い。

「さあ、選んで。夏菜が手を叩いたら、僕は飛ぶ」

風が強い。
髪の毛がそれぞれ意志をもって暴れているみたい。

「ねえ、早く」

夏希はいつものように微笑んでいる。

わたしは、きっと無表情。
でも、ものすごい罪悪感が、ぎりぎりと胸を締め付けて。

「何も選ばない罪を、君は知るべきだ」



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わたしが買い物かごの中にお菓子とお酒を入れてぶらぶらと夏希のところに戻ると、千尋先輩と梅田先輩がいた。
「そういうわけで、今夜は、焼肉パーティーになったから」
千尋先輩が宣言する。
「君たちのお家で、焼肉パーティー! ちょっと、かなかな、ビールがないぞ。なに、梅酒もない! チーカマもないじゃない!」
千尋先輩はわたしの持ってるかごの中を、ごそごそと物色する。
「ちょっと夏菜ちゃん、なんで、ウィスキーしか入ってないのかな? 好き嫌いしてると大きくなれない、っていつも言ってるでしょ! ちゃんとビールも入れて来なさい」
後ろから見ていた梅田先輩も一緒になって言う。
「えーーー」
ビールは苦いから嫌いなのだ。
「えー、じゃない。ほら早く行く!」
「………」
千尋先輩に言われて、わたしはしぶしぶお酒コーナーに引き返す。あの二人には逆らわないのが吉なのだ。わたしは今までの大学生活で、それを学んだ。



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電車は、昆虫に似ている。

テントウ虫もカブトムシも、裏返した途端にグロテスクだ。
電車も同じ。
ホームに隠れて見えない下半分はとてもグロテスク。
(あれで、どういうふうに人を?)

でも、わたしは知ってる。虫も電車も、そっちが本質なんだってことを知ってる。
どんな人間の中にも赤い臓器がめいいっぱいにつまってることを、わたしは知っているのだ。

「おはよう」と、わたしは数え切れないほどの細胞たちに向かって叫ぶ。
細胞たちはもちろん答えない。
ただ、繰り返されるその朝に、彼らは判断を下す。

わたしを抹消するか否かの判断を。





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白い校舎。
長い廊下に、佇む人影。
しん、と湿った空気。
化学室からもれ出した静けさ。

緑の壁に背を預けて、こちらを見る。
窓の外は、青空。
白い雲が光る。
廊下の真ん中の白い破線が、突き当りの美術室まで伸びる。

窓は開いている。
冷たさの混じった風は少年の髪を揺らす。
少年は窓の外を見る。
唇がわずかに動く。
横顔から表情は読み取れない。

少年はこちらを見る。
静かに微笑む。
誰もいないはずの廊下で、静かに微笑みかける。

少年は「わたし」に微笑みかける。







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最近、小説を書いてます。
(↓追記に載せてみる。)

と言っても、まだ原稿用紙10枚ぐらいだけど。
いつもどおり、ほとんどノープランです。
頭の中で決まってることといえば、主要キャラ二人に何を背負わせるか、ってことぐらいか。
これも、かなり大雑把ですが。
そして、書いてる途中なので、体裁も整えてないという、サービス精神のなさ。

で、ちょっと試しにお話の設定やらなんやらを、ブログに公開しながら創っていってみようかな、って。
いや、よくあるじゃないですか、小説ブログで。
正直、そういうのって読んでて面白くないのが多いけど、まぁ、ここも自己満足ブログなので良しとする(笑)

というわけで、そんな感じです。
張り切って、新しいカテゴリも作ってみた(笑)
飽きっぽい性格なので、いつまで続けられるか、わかりませんが。



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